■インプラント(人工歯根)
歯は目で見える部分の歯と、それを支える歯根から成り立っています。
歯を失うということはそれを支えている歯根も失ってしまうということです。
歯を一本失った場合、両隣の健康な歯を削って人口の歯をかぶせます。これがブリッジと呼ばれる治療法です。
噛むという行為は想像以上に強い力を歯と顎にかけています。(奥歯1本にかかる荷重は、その人の
体重にほぼ等しいといわれます)。
ブリッジでは、1本あたりにかかる荷重は約1.5倍になります。削られた歯は傷みやすく、この歯がだめになってしまうとさらに広い範囲のブリッジに作り直さなければなりません。
歯根がない部分の骨は歯根がない部分の骨は、噛むことによって得られる刺激がないために次第にやせていきます。
また、残っている歯根が移動してしまうため、ぴったりあわせて作った義歯は次第に合わなくなり、何度も作り直す必要が出てきます。
■今日のインプラント
失われた歯根の部分にチタン製の歯根を埋め込んで義歯の支えとするのが、今日行われているインプラント(人工歯根)療法です。
- 診察と治療計画
失われた歯の数、インプラントを埋め込む骨の硬さ、大きさ、位置により患者様の健康状態を考えた上で治療計画を立てます。
- 一次手術
あごの骨にインプラントを埋め込みます。
- 治癒期間
一次手術後3〜6ヶ月おくことでインプラントと骨が強い力で結合します。
この期間、仮の歯を使用できることもあります。
- 二次手術
歯ぐきを開いて人口の歯を取り付ける準備をします。
この状態で歯茎が治るまで1〜6週間おきます。
- 人工の歯を作製・装着
歯ぐきが治った時点で型を取り、人工の歯を作ります。形や色は患者さんに合わせて作製し、インプラントに取り付けます。
- メンテナンスと定期健診
インプラントで治療した部分に限らず、口の中を衛生的に保つ必要があります。
ブラッシングの方法などについて適切な指導を受けて、インプラントや人工の歯の状態、噛み合せを確認します。
■インプラントでは、残っている健康な歯への負担が増加することはありません。顎の骨には自然の歯と同じように刺激が伝わり、力をかけることが出来ることから、骨の変形も少なくなることが知られています。
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